二日目ともなると、それほど緊張はしない。午前はジュリーさんが行うオープンウォーター講習のプール実習のアシスタントとして参加。昨日もスキルサーキットをやっていたので、その復習ちっくに自分でも横で見ながら練習してみる。もちろん講習生がトラブルを起こした時のためのサポートなので、講習生がやるときにはしっかり見ている…つもり。人のやっているのを見ると自分にも勉強になる。やはり人それぞれストレスのポイントや出来不出来はあるので興味深かった。
午後はプール実習の残りをやったあと海洋実習に同行。P.C.R.の桟橋ポイントである。ここの桟橋、700mもあるために歩くだけで一苦労。まずは、一本目で全員でエントリーして水底に集合するが、途中でストレスを抱えた人が浮上して脱落。そのため、ジュリーさんは残りの講習生を相手に講習を続け、自分はその人を曳航して一本目は中断した。
二本目は講習にすべて同行できたが、ほぼ横で見ているだけなので、特に何かしたわけでもない。なお、桟橋ポイントということで講習によく使われるメインの場所だが、桟橋から50mも沖に出ると、数百メートルものドロップオフになっていて、かなり派手な地形。マクタン島は全部こんな感じでリーフやビーチを抜けるとドロップオフ。透明度は悪くはないがよくもない。講習に使われる場所のため、砂がたくさん巻き上げられるためもあるだろうけどね。少しドロップオフ際に行ってマクロをじっくりやると楽しいかもしれない。
話は戻って、講習を受けてストレスを抱えたダイバーがどうなっていたかを今思い起こすと、まず人の話を上の空で聞くようになる。これは自分でもよくあることだが、気になること、心配事があると人の話を聞いていられなくなるのと同じ。そのため、ダイビングスキルを習っていても「水が怖いなぁ、やだなぁ」などとずっと思っていると、イントラの話をますます聞けずにどんどん遅れることになる。途中でインストラクションを止めて少しは話を聞いてあげられればいいのかもしれないが、さまざまな制限がある手前なかなかその時間も割けないし、自分も聞いてあげたけど、怖いことを悟られたくないために、正直に言ってくれなかったりした。
この後も色々なシーンで感じたことでもあるが、初心者・慣れていない人の考えはなかなか想像できない。自分も最初にCカードを取ったときに、半ばパニックを起こして講習中止になったことがある。そのときも鼻から水を入れてしまいナーバスになっているところに緊急スイミングアセントの練習で失敗し、なおさら「オレってダメなんじゃないか」と悪い方向に考えてしまった。一週間後に講習の続きをやったが、その前にインストラクターからはかなり慰められた。今思い起こすと、自信を失う方向にならないよう、ストレスを取り除いてもらっていたわけだ。PADIの教科書にも書いてあるが、これは常に意識しなければならないと、思い知らされた。