IE 二日目

二日目。本来ならば一日目だ。

自分の課題となった限定水域プレゼンテーションは、

水面で反応のないダイバーにポケットマスクを使ったレスキュー呼吸をする

というものだった。課題を出した側として、本当は反応のないダイバーを単にレスキュー呼吸することだけだったのだが、受けた側の自分は最初の手順(反応の確認、仰向けにする…など)から作っており、それをブリーフィングしたところ、エグザミナーから「もう水面で仰向けになっているところからでいいよ。」と途中訂正が入る。

やることは少なくなったのでいいのだが、組立をその場で変えなければならなくなりこれで頭がすっ飛び、へ?んじゃどうしようかな、と思うが、なぜか一緒のチームの韓国人がエラく協力的で、あーじゃない?こーじゃない?とワイワイ始まり、なぜか普通にクリア。エグザミナーがエラーを出す指示も一人にはエラーなし、一人にはポケットマスクを上下逆さまにするという指示だったようだが、エラーなしの方を、事故者を沈めたと判断し訂正した。これは別段問題ないので、取り敢えず双方のエラーを見つけられた、ということになる。

終わったあと、エグザミナーから訂正されたのは、ポケットマスクを使っている相手でも、相手の頭上に回らなくて横からでもいいこと、上に伸び上がると大変なので、頭上からやる場合でも相手の首をグイッと反らせてやればよい、とアドバイスを受けた。

前述したことだが、これもPADIらしいところで、その目的が達成されれば、方法には色々なアプローチがあってよいというやり方でも許される。どうしても日本人は硬直的に考えてしまうので、型に嵌めてしまうところが多いらしい。

なお、チームメイトがプレゼンテーションした限定水域でのプレゼンテーションデモは素晴らしいクオリティだった。動きがビシビシと気持ち良い。ただしお国柄なのか軍隊的というか、動きが固い(笑)。話し方も韓国語であるため固い感じなので、練習ではなく訓練している感じとも言えるかな。さすが兵役のある国…なんて思った。自分を最後に我々ブルーチームは全員限定水域スキルは無事終了した。自分の得点は4.6だった。

後は五つのスキルデモンストレーションを行う。20スキルから5つピックアップして指示が出る。出された課題は、レギュレータリカバリー(アームスイープまたはリーチ)、フリーフローレギュレータからの呼吸、フィンピボットにおける中性浮力、バックアップ空気源からの呼吸、緊急スイミングアセント(水平)だった。自分はトイレがガマンできず行っている間に、みな最初の三つは終わっていた。そのためバックアップ空気源から参加。そして、そのまま待たせて、自分だけ最初の三つを行い、緊急スイミングアセントを二人ずつ行う。

スキルデモンストレーションは自分は22点なので平均4.4で無事クリア。これも全員一発で合格だった。なんだかんだ我々ブルーチームは優秀じゃないか(笑)。

午前中はこれで終了。午後は知識開発プレゼンテーションだ。通訳のアレックスとコースディレクターの渡部さんとごはんを食べてからホテルに戻る。かなり時間が空くのでだんだん緊張感がなくなりリラックスモード。眠い。

お昼のドリンクはマウンテンデュー。ひさびさ。

午後からの知識開発プレゼンテーション課題は、自分は

ダイブマスターがDSDインターンシップを終了して、DSDリーダーになったのち、体験ダイビングをするとき、オープンウォーターの一度目のダイブを担当できるか?

というものだった。自分のプレゼンの順番はブルーチームの最後。生徒ダイバー役のチームメイトは全員自分たちのプレゼンテーションが終了しているので、それなりにリラックスしている。

彼らには自分の言葉を理解はしてもらえないが、うまくプレゼンテーションできたと思う。体験ダイビングのときに、クエストや指示棒を使うといいよ、と紹介したのだが、クエストにはかわいい女の子の絵をあらかじめ書いて置いたのだが、それを見たみんなが素の反応で感嘆してくれた。また、自分の指示棒はチタン製で錆びないし軽いよ、と持たせると、またもや良い反応。ついでにエグザミナーにまで持たせる(笑)。

コールアンドレスポンスというか、チームメイトのノリノリの反応のおかげで、知識開発プレゼンテーションはまさかの満点である5点をもらえた。エグザミナーから、何か教える仕事をしてるのか?と尋ねられたほどだった。チームメイトが雇っていた韓国語英語の通訳には、言葉はわからないけど、なんでか理解はできた気がすると褒められ、スゴくありがたい評価を各人からもらったと思う。

こうして余裕をぶっこきながら二日目を無事クリアした。ここらへんから、自分にも、チームメイトにも慣れと油断が生じて来たのだと思う。

ちなみに自分のプレゼンに使った器材は以下の通り。

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IE 参加前日

※このIEに関する一連の投稿はあくまでも自分が体験し感じたことであり、もちろんPADIの意見ではありませんし、他者から見た場合には違う意見もあると思います。あらかじめご了承ください。

本来なら6月2日からだったIE。それが参加人数が増えた、ということらしくいきなり一日前倒しになり、夕方からの開催になった。フィリピンに来る前の情報だと、参加人数が足りなくて開催されないかも…ということだったのに、三日前くらいに駆け込む人が多いらしい。日本では2週間前に締め切りなのに、PADI ASIA PACIFICでは、こういったことはよくあることなのだそうな。所変われば品変わる、というか品質が変わってもらっては困るが、多少のカルチャーの違いは気にしても仕方ない。

前日に前倒しになったので通訳にも一日増やしてもらわなければならないが、その調整はコースディレクターにお願いした。通訳料が上がってしまうが、ここでけちって落ちても困るしね。用意できるものは用意することにした。

とりあえず会場であるベラビスタホテル(マクタン島にある)に遅れずに入る。フィリピンとは思えないくらい内装はきちんとした普通のホテル(偏見だな、これ)。冷房も効いていてロビーのソファも快適。遅刻しないように30分前に入ったのはうちら日本人くらいだ。みんなギリギリ、もしくは若干遅れて到着していた。

会場に入って辺りを見回すと、他にIEを受験するのは韓国人が八名、フィリピン人が二名。そして、日本人が自分を入れて二名の合計12名となる。自分はブルーチームとなり、韓国人三名と同じチーム編成。レッドチームは八名というかなりアンバランスな編成だが、本来ならブルーチームはもう二名か三名いたらしい。日本と違って試験料の支払いが後払いなので、ドタキャンしたらしい。日本のIEではまずないことらしいが、海外ではよくあることなのだそうな。いきなり増えたり減ったりPADIも大変だな。さすが東南アジア。

最初のオリエンテーションは試験の内容説明と、課題が与えられる。自分のチームもここでわかる。オリエンテーションを終えるとさっそく学科試験。一般規準と、ダイビング理論の物理・生理・RDP・スキルと環境・器材の五科目テスト。各自にまず一般規準または、五科目テストが与えられ、それを一時間半で解く。もちろん時間を短縮して提出すれば、もうひとつの問題を渡され、それを解く。

自分は五科目が先になり、後半は一般規準だった。それぞれ一時間程度で解き、無事クリア。少し一般規準で間違いが多く88点だった…。ちょっと見直しもせずあっさりやり過ぎたかな。五科目はほぼパーフェクト。生理と物理で2問ずつ間違えた程度だった。電卓を忘れたので、浮力や圧力計算は手計算で行ったが、計算式が多いわけでもないので、問題なくできた。電卓がないと2,3分は損しているけれど。

なお、このオリエンテーションのときに限定水域とオープンウォーターで行うそれぞれのスキルプレゼンテーション、知識開発プレゼンテーション、レスキュースキルでの内容などが決められている。本来なら、初日に渡されるので、そのままその日に限定水域と学科プレゼンテーションは制作しないといけないのだが、今回は一晩(オープンウォーターは二晩)じっくり作れるわけだ。

最も、すでにIDCでここの部分はかなりトレーニングするし、IEの最中も空き時間、待ち時間はかなりあるので、IE中に作るのでもそれほどは困らない。

初日はこんな感じであっさりと終了。帰りにマリーナモール近くの「のんき」で食事して帰る。

IDCへの参加 その5 感想

IDCもEFRIも終了して、予備日である5/31だ。とりあえずD-DOWNのフィリピン人スタッフであるリッキーをバディにして20スキルのうち不安な項目を再度練習。リッキー相手にデモンストレーションするのだが、リッキーの方が全然上手にデモンストレーションするw

まったく面目丸つぶれだが、毎日潜って常に先生の様子を見ている方がうまいのは当たり前か。門前の小僧習わぬ経を読むってところだと思う。自信なくすと困るので気にしないようにしようっと。

さて、IDC全体を通した感想を。

これまでWebや先輩インストラクターでIDCを受けた人の話を聞いたり見たりしていると、連日朝の6時から海に集合して練習したのがキツかった、という話をしばしば聞く。しかし、自分で受けてみて「そんなにキツくないだろ、これ」と思ったのが正直なところ。コースの日程はほとんどが実技と言うよりプレゼンテーションを作り、ブリーフィング、ディブリーフィングをすることで、毎日8時半から17時くらいには終わっていた。宿題を出されるので、それはやらないといけないが、毎日1時間程度もやればできる量だった。

実技面、つまり実際に海で行うものではそんなに練習をする必要性を感じない。というか、毎日海に入って練習しなきゃならないほど基本スキルが低いならIEは合格できないだろうから、IDC以前に練習しておくべきだろ、と。

IDCコースの前にプレIDCを用意しているダイブセンターもあるが、そういったところでレビューしてもらえば、IDC内で自主練を朝っぱらからやる必要性は皆無になると思う。

IDCはPADIのインストラクションシステムを学ぶ場なので、プレゼンテーションスキルをブラッシュアップさせるのに一番時間かかるだろうと思う。知識を詰め込む場でもない。知識はマニュアルや他の資料を見て、それをいかにブレイクダウンしてフォーマットに合わせ、プラスアルファの部分を付け足す(マーケッティング的なところね)という一連の流れを構築するスキルが一番重要なのは再三述べているところだ。

今回、一人でIDCを受けたので先生を独占でき、マンツーマンで学べたのも大きい。これはラッキーだったと思う。他人の理解度に足を引っ張られず(自分も 引っ張ることなく)、自分のペースで進められたのはありがたかった。質問したかったりわからないところはとことん聞けるし。その分相談する相手や練習台に できる相手がいない、というデメリットもある。当初の予定ではもう一人受ける予定だったらしいが、キャンセルになったらしい。なので、IDCを主催する側としてはまったくペイしてないなぁ、と思われたw

実技で行うスキルパートで大変なのは生徒がエラーを出しているのをちゃんとチェックするところか。各実技スキルはすべてマスターしなければならないのを、マスターさせずに次に進めてしまうと必ずトラブルになる。そういったことがないように、生徒のエラーをチェックし、ちゃんとできるようにさせなければならない。

また、生徒が講習中逃げ出したり(そんな生徒もいるらしい)、実習地にクマノミが登場したりして話を聞いてないのをきちんとコントロールして、安全にスキルを達成させなければならないのが一番肝心だ。やはり生徒を危険に晒さないことが最重要なので、その部分はかなり心を配らなければならないため、それを自分が習慣づけできるまでやりこまなければならないのは難しいところだと感じた。

PADIというかアメリカの合理性を感じるところなのだが、各スキルのキーポイントだけちゃんと押さえておけば、他はかなりアバウトというか個性的でもいい。基本的なやり方は安全面だったり、戸惑わずできるように考えられているのでそれを踏襲すべきだが、そのほかはうるさくない。日本的な考え方だと、すぐ「○○道」などにしてしまい、型としての美しさやフォーマットを厳密に守ることを要求されるのとは異なる。できりゃいいじゃん、という考えなのだ。

例を挙げると器材脱着でも自分はタンクを真っ正面に置くところまでを習ったので、今でもそこまでやるが、他の人は器材を外し、自分のモモに載せるところまでやって、それから装着するという人もいる。ようするに器材脱着の目的は絡んでいるホース類を整頓したり、タンクが緩んだのを直す、なんてのが目的なので、その目的を達成できればスタイルは問わない、ということだ。左手から抜いて、右手側を軸にするのはレギュレータの向きから言って安全だし合理的だから、それはポイントになるが、置く場所も自由だし、再度着ける方法も自由ということだ。海猿のように上から被っちゃう人もいる。

というわけで、IDCは新しいこと(実際にはやってきたことなのかもしれないが、それを体系的にしたカタチ)を学ぶし、かなりのボリュームがあるので大変ではあるが、ダイブマスターを取った人ならば知識やスキル的には十分(のハズ)。受けようか悩んでいる人がいたら、どんどんやっちゃいなよ、とアドバイスしたい。

IDCへの参加 その4 何度も繰り返し

これ以降はまとめて記述。細かく毎日のことを書いてもあまり意味はないため省略する。以前の投稿でも述べたが、IDCは基本はプレゼンテーションスキルを学ぶところだ。そのため、知識開発はトータル5回。限定水域はトータルで6回。オープンウォーターは2つのスキルを4セット行った。何度も繰り返すことによって、いちいちプレゼン構築用のテンプレートなど見なくとも作れるレベルまで練習する。

その間に20スキルチェックやダイビング理論エグザムを行う。規準エグザムも行うが、基本的には規準を除き、講習や再度の講習は行わない。すでにダイブマスターでマスターしているはずの項目だから。そのため、この20スキルやダイビング理論に関して足りないと思えば自分から自習したり練習しなければならない。

二日目。5/24は前日に引き続き、オープンウォーターのプレゼンテーションを学ぶ。細かくブレイクダウンした、オープンウォーター管理も併せて学んだ。知識開発プレゼンテーションも行う。

三日目。5/25はPADIの一般規準(講習などの規準)の説明と、各ダイバーレベルでの講習についてを学ぶ。これらはPADIのインストラクターマニュアルに書いてある項目だが、きちんとチェックしないと、いわゆる各コースで間違った規準で教えてしまうため、ちゃんと参照することを学ぶ、ということになるかと思う。

四日目。5/26はディープダイブの知識開発プレゼンテーションを実施。次にディープダイブ実技を終える。少しインターバルを取り、ディスカバースクーバダイビングのワークショップデモンストレーション。その後20スキルのチェック。この20スキルチェックではかなり手間取る。ついこの前全部やったのに…。これは新しいBCDを持ち込んだのだが、これがまたやたら浮力があるというか、アルミタンクだと浮いてしまう。そのため水中での器材脱着で上にどんどん行ってしまい、タコ踊りをする羽目に。とりあえずBCDに2キロウエイトを入れることで解決を目指す。

午前中の海での実技終了後、午後はディブリーフィング、一般規準で残っていたダイブマスターコースの規準を学ぶ。

五日目。5/27。限定水域でのプレゼンテーション。下半分マスククリアと中性浮力。これは実技も行う。オープンウォーターでのプレゼンテーションと実技は、水面での器材脱着と、PPB-SPのホバリング。

余った時間で20スキルのうち器材脱着を練習。なんとかスムーズにできるようになってきた。やっぱり新しい器材は慣れるまで時間がかかる。前のBCDのサイズが合わなくなったのが原因だけど、同じモデルを買い直すのもイヤなので別モデル(TUSAのBCJ-1650)でチャレンジしたのが失敗かも。まー、慣れてきてはいるので大丈夫か。このBCDは軽くてコンパクトで旅行にはいいんだけど、バックプレートがないためにプラス浮力っぽい。

六日目。5/28。限定水域でのプレゼンテーションはマスクなし移動と水面パニックダイバー。エア切れ練習と、フリーフロー呼吸。オープンウォーターは、視票のある自由潜降とAOW三つの結束方法。水中でトラブルにあっているダイバーと水面でのウエイトを捨てる、というのを行う。その他知識開発プレゼンテーション。

4つのEのカウンセリングワークショップをしていなかったので、これを行う。ようするに器材販売や継続教育を奨めるデモンストレーション。店員さんになった気持ちでやる。常にショップなどで見ているから、あまり戸惑わず楽しくできた。

七日目。5/29。オープンウォーター講習プレゼンテーションはPPB-SP 効率の良いフィンキックと緊急スイミングアセント。これでIDCのすべての項目が終わる。デキの悪い生徒というわけではなく、たくさんの項目を行ったため半日はみ出したw。

その後EFRIコースを受ける。初日は学科メインで学ぶ。レスキューの時のEFRとちょっと変更になっていて、そのあたりを中心に学ぶ。宿題を出され、達成条件と価値だけだ、と言われて楽勝かと思っていたが、実際の分量はかなりの量があり、遅くまで宿題をする羽目に。だまされたw

八日目。5/30。残りのEFRI。昨日の宿題の発表で午前中は終わり。午後はダミー(リトルアンなど)を使って実際の実技練習。最初は恥ずかしいんだけど、だんだん楽しくなってくる。レスキューコースで行ったことを今度はインストラクター側として実技をやらせるシミュレーション。最後のエグザムをクリアして、EFRIはすべて終了。これでEFRIインストラクターにはなれたことになる。

残るのはIEだけだ。

IDCへの参加 その3 プレゼンテーション

IDCはトータル六日間の予定で行われる。通常はAIコース→OWSIコースが順番に行われるが、今回は先にまとめて座学→実技的なものの順番となった。

というわけで、初日はオリエンテーション。そして岩谷さんによる知識開発(要するに講習時に学科を教えること)プレゼンテーション、そして限定水域での講習手法…というかこれもプレゼンテーション、を学ぶ。

IDCは、このプレゼンテーションスキルを学ぶことがほとんどだと個人的には思う。その他の項目はごくわずかという印象。

プレゼンテーション、というと仕事でやるプレゼンみたいなことか?と思われるかもしれないが、なんというか日本的なプレゼンテーションとは異なりアメリカ式のプレゼンテーション。例を挙げるとすれば、よく映画や海外ドラマ、そして戦争ゲームである作戦前のブリーフィングを想像してもらうとわかりやすいかもしれない。例えばこんなシーンだ。

場所:航空母艦のブリーフィングルーム

パイロットや爆撃手がブリーフィングルームに集まっている。ザワザワしている…。そこへ作戦指揮官が登場。そしてこういう話をする。

「野郎ども、よく集まったな。昨夜飲み過ぎて二日酔いの野郎はいないな?よし、OK。今日の作戦を伝える。」→コンタクト(いわゆるツカミだね)
「今日の目標はやつらの横っ面をはたくことだ。つまり、この場所に展開している戦車部隊の右翼側を叩きつぶすことがミッションになる」→この作戦の達成条件
「やつらの右翼側には友軍の地上部隊が10キロ離れた場所にいる。友軍が前線を上げていくときに戦車部隊が邪魔になるので、叩きつぶし、友軍の前進をラクにしてやるわけだ。」→この作戦の価値

というようにダイビングにおいて、この知識やスキルを達成する条件は何か、そしてその価値はなんなのかをきちんと教えるのがPADIのダイビングインストラクションのシステムということになる。この後、そのスキル達成のためのステップ(この例なら攻撃手順とか)を説明して、注意点などを述べることにつながっていく。

終わった後にはちゃんとディブリーフィングを行い、達成できたことを褒め、次につなげていく。通常の仕事でも同じことをなんとなくやっているものだが、IDCではそれを明文化してきちんとツールとして使えるように教育する。もしこの手法を20歳くらいできちんと学べ使いこなせたら、将来業務のときにも必ず生かせる知識、知恵となるだろう。惜しむらくは20歳くらいだと、なかなかこの価値に気づきにくい。もう少し歳を重ね、実際に人を指導したり、部下を扱うとき、業務指示するときにかなり使えるのだが、その域まで行っていない(ことがほとんどだろう)と、この価値にはすぐに気づけないだろうな。

たぶんIDCでよくみんなが最初につまずくのがこのパート。自分は仕事上話すのは必須だし得意なので、まったく苦にしない。戸惑ったのは用語くらいで(もっとわかりやすい訳というか例があるんじゃないのかなあ)、通常の仕事とそれほどかけ離れているわけではないのでむしろ楽しいwでも、実際にIDCを受ける年齢のコア層はこういったことはまだ不慣れだし、年齢もあってやりづらく感じるだろうと思う。

さて、初日はこうして知識開発と限定水域(オープンウォーターと違ってスキルの細かなところまで教えるやり方)でのプレゼンテーションを学んだ。

学科を10時間やったので、リフレッシュしたくなり水に入りたかったので、この後渡部さんがサンセットダイビングに連れて行ってくれた。ニチリンダテハゼやニシキテグリを見て、暮れなずむハウスリーフを1時間程度ダイブしリラックス…というかコースディレクターと一緒に潜ると緊張してあまりリラックスできないようなw。

なお、このハウスリーフは24時間ダイビング可能である。バディがいれば(いなくてもガイドをお願いすればいい)、死ぬほど潜れるw宿の自分の部屋の前を通り、ダイブサービスから1分のところでエントリーできる。レストランもあるので、一歩も外に出ず全日程を死ぬほどハウスリーフで一日6ダイブくらいしてマクロ三昧するのもいいかもしれないwオレはイヤだけど。

ハウスリーフをレストランから臨む。レストランはイマイチw

IDCへの参加 その2 出発

やっとのことでeLearningを終え、そしてろくに寝ずに朝を迎えた。最後の荷物をパッキングして、寝不足の体にムチを入れて出かける。パソコンの電源をすべて落とした家は静寂に包まれる。これだけ、長期に家を空けるのは昨年夏のハワイ以来かも。

午後のフィリピン航空のセブ直行便に乗るべく成田へ。昨日は金環日食だったが、今日は単なる土砂降りの日だ。あ、スカイツリーの開業日でもあるか。もうすぐ六月なのにかなり寒い。10℃くらい?クルマをターミナルで預けてチェックインした。今回乗る便はかなり空いているようで、通路側席を確保できて何より。実際に搭乗客は7割程度だったかと思う。

今回、セブに持って行く荷物は、二つ。一つはメッシュバッグにダイビング器材とマニュアル類。マニュアルだけで8キロもある。メッシュバッグの荷物が22キロでジャストになり、スーツケースは20キロくらいになった。フィリピン航空オンリーで国際線なので、オーバーエクセスはない。前回JALで懲りたし、セブに行くなら直行便の方が100倍ラクで時間もかからない。

ラウンジなどは使えないが、それほど時間に余裕があったわけではないので、ちょうどゲートに着いてメール処理をしていたら間もなく搭乗になった。

フィリピン航空は第二ターミナル。間違えてJALに乗りそう。

機材はエアバスA330-300。古いが、それほど長く乗るわけではないから、問題ない。エアバスはハワイアン航空以来だ。機内食は前評判で酷評されていたので、まったく期待してなかったけど、ユナイテッドよりマシなんじゃないかな?と思う。想定の範囲内の味だし、チキンにサバの味噌煮が付いてくるのはなんだかな?とは思ったが、味は悪かない。日本じゃ飲めないバージンコーラを飲んで見るがこれはあまりうまくないw

意外に食べられたチキン。ライスはちょっと…でしたけど。

どこのコーラなんだろ。フィリピンでも見ないしなあ。

フライト時間は約5時間。沖縄で乗り継いで、石垣島に行くイメージと思えば、それほど遠いところでもない。前回の乗り継ぎよりはかなり楽ちん。マイレージにこだわらなければ格安でラクなフライトも選べると言うものだ。本音はフィリピン航空がスタアラになってくれないかなーとは思ったりw

あっという間にセブ・マクタン空港に到着。飛行機を降りるとむわっとする夏の香り。二カ月ぶりのフィリピンの地を踏みしめる。それほど感慨深くもないが。入国審査で少し待たされるが、許容範囲。文句を言っている初老の女性がいたが、こういうときにはどうして年食ってる人の方が分別ないのだろう。若者は忍耐強く辛抱して待っているというのに。もっとも歳を重ねるほどに幼児退行していくというのもあるか。

入国してゲートを出るとD-DOWNの看板を持つスタッフが待っていてくれた。バッグや器材をスタッフに運んでもらい、D-DOWNのマネージャでもある島田さんと会話する。ホテルに向かう前にマリーナモールにあるセイブモア(スーパー)に寄ってもらい、両替と水、フルーツなどを買い出す。宿についてもナニもないだろうから。

宿まではいつものようにほこりっぽい道をジープニーの小さなバージョンであるモンティキャブでガタガタと移動。泊まる場所はD-DOWNが営業してる同じ敷地内にある、KONTIKI BEACH RESORTになった。今回のIDCの料金に宿泊代は含まれており、ダイブサービスまで歩いて20秒というすばらしい宿であるw距離だけは。部屋は…まあエアコンと清潔なベッドがあるし、冷蔵庫もある。これで十分だろう(シャワーのお湯が最後までなかなか出なかったのには参ったけど)。なお、このKONTIKI BEACH RESORTには他にダイブサービスが4軒ほどあり、まさにダイバーのための宿となっている。

その後サービスに顔を出すと、渡部さんとIDCスタッフインストラクターの岩谷さんに挨拶。その後IDCスタッフ講習を受けていたNさんを含めて4人で食事に行く。ココナッツガーデンという日本人経営の店らしいが、送迎が無料なのがよい。味もまあまあで値段もそれほど高くなかった。

本来ならIDCにはもう一人参加される予定だったのだが、自分一人になってしまった。考えてみるとオープンウォーターの途中から、アドバンス、レスキュー、ダイブマスターすべて一人だった。ぼっちな人生だなあ…wチームメイトが欲しいもんだ。

初日はこんな感じで終了。明日からいよいよIDCが始まる。疲れたのでとっとと眠る。