二度目のセブ(マクタン)で行ったところメモ

誰に役立つのかまったくわからないが、自分のメモがわりに書いておこう。

    • トライシクル
      今回はあまりタクシーは使わずトライシクルに乗ってた。俗に言うバタバタ。自転車のものはトライシカルというらしい。バイクバージョンがトライシクル。スペシャル、というと貸し切りで、グランドモールからKONTIKI BEACH RESORTまで100ペソくらいだ。まぁ、乗り心地は悪いし、事故ったらすんごくケガしそうだけど、それほどスピードは出さないので、死ににくいかもねw
    • 海舟
      日本食のお店。送迎付きなので利用したけど、バカ高いw味は…普通かな。個人的にはのんきの方がいい。
    • ドルティン Dorting
      地元の人しかほぼいない串焼き屋さんというかバーベキュー屋さんというか。飾ってあるお肉を適当に選んで、焼いてもらう。ひとり200ペソもあれば死ぬほど食える。こんな感じのお肉たちだ。

      とにかくうまい。日本人の口にも合います。

      場所は…わかりづらいけど、以下の場所。一応看板も出ている。たぶん地元の人なら知っていると思うのでトライシクルのおっちゃんなどに、どるてぃん!と言ってみるとわかるかもしれないw

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    • グランドモールにあるレッドリボン
      ケーキ屋さん。ここのお菓子はフィリピン航空の機内食のお菓子にも採用されていて、それなりにおいしい。ブッシュドノエルみたいなロールケーキ(長さ30センチくらいある)が300ペソくらい。全部食ったら死ねるかも。自分は切ってあるロールケーキと、コーヒーのセットを食べた。なかなかのコーヒーだったので幸せだった。ロールケーキは甘いけど、TOPSのチョコレートケーキなみだと思えばよろしあるね。

      それなりにおいしかった。後悔しないと思う。

      あと、ここのブラウニーもなかなか。一個16ペソだったかと。

    • ココナッツガーデン
      ここも送迎付き。一人でもOKなので、ぼっちな旅行していてちゃんとしたものを安全に行き来して食べたいときには便利。なんせ往復だけで200ペソくらいかかっちゃうから。ここで一人でガッツリ食べても300ペソくらいなので、交通費考えればリーズナブル。個人的にはマリバゴグリルより気に入ったので、三回も行った。帰りは宿ではなくグランドモールに連れて行け、とかいうと連れて行ってくれる。
      味は普通ですが日本人向きかと。焼肉食べ放題とかもあるんだけど、あまりオススメはしない、とダイブサービスの人には言われた。ま、たくさんいるときにチャレンジしようかと思った。

      豚バラ肉の焼き物。おいしい。

    • Pajac Maribago road Crossing近辺のレチョンマノック
      何言ってるんだ?と思われるかもしれませんが、以下の場所にある鶏の丸焼きである、レチョンマノックを焼いている店がおいしかったので紹介しておきます。KONTIKIから歩いても買いに行けるしね。ひとつ(一羽)130ペソ。一人で余裕で食えるぜ!
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IEとIDCで準備した器材

IEやIDCに必須な器材は指示されるのでそれは従ったとして、自分が選んだ器材だったり、これを持って行けば便利かも、というのを記述する。少しでも参考になればうれしい。

重器材

BCD

今回BCDは新品のTUSA BCJ-1650 Passageを持って行った(※ソニアのおねーさんが着ているリンクはこちらw→TUSA【BCJ-1650】パッセージ)。すでに2万円ちょっとのBCDなんだけど、軽くて旅行にはいいと思う。ウエイトポケットもあるし、右肩にダンプバルブがないのは玉に瑕なんだけど、リング類もそれなりにあるし、ポケット内にもリングがありライトなどをスパイラルケーブルでつないでおくにも便利。マイナス浮力がないのでアルミだと浮き気味なのがちょっとイヤかも。ウエイトポケットに1㎏ずつ入れるとなんとか安定。後は絶対的な浮力が足りないので、そこらへんはご注意。

これ、もう作ってないみたいなので市場在庫のみのようだ。海外モデルだとBCJ-1800ってのがあるようだが、正規には売ってない。TUSAって国内で売ってない海外モデルがけっこう多い。例えばバックフロートタイプのコレなど。XLサイズのブラダーにLサイズのハーネスを合体させたものが欲しい。

従来使い慣れたBCDはサイズが合わなくなったので使えなくなったためこれに切り替え。しかし、これももしインストラクションするときが来たら使えないBCDかも。浮力が小さいので他の人を支えるシーンが来たら支えきれない。

レギュなど

自分が愛用しているレギュレーターはBismのmic21モデルのもの。真鍮製のファーストステージであり、重い。Bism型番だとRK3000番相当のモノで2ndステージがクルクル回るし、非常に吸いやすいレギュだと感じている。ホースも柔らかいので首を回すときでも、ほぼ抵抗感はない。

オクトパスはアクアラングABSで、残圧計(コンパス)はBismのGK2121。レギュ以外は非常に軽量なものだ。Bismのチタンレギュも欲しいが、あんまり軽くないから悩みどころ。ここらへんは自分が慣れた器材の方がストレスないと思う。Apeksのフライトレギュが欲しいけど、器材ばっかり買ってもねぇ…。

軽器材

この器材も普段使っているものの方がストレスはないので、それを使うのがベストだと思う。自分は例によってサイズの違いが出てウェットは新品になった。マレスの廉価版のを例のごとく個人輸入で購入したものだ(1万円しなかった)。最初はキツいと思ったが二三回着れば慣れるのでIEのときには、慣れていたので違和感はなかった。

フィンはTUSAのKAIL。それなりに蹴りごたえもあるし、パワーをそれほど必要としないので、自分には使いやすい。スーパーミューだとちょっとヘビーに感じる。それと、KAILはフルフットフィンの中では軽いと部類だ。スーパーミューはちょっと重い。アポロのバイオフィンをダイブマスターの時には持って行ったが、かなり重いので閉口した。

マスクはいつものTUSA M-19SQB。一眼タイプで見やすいものを使っている。容量の差はあまり気にならない。スノーケルは必須になるので(ファンダイビングのときはほとんど付けないけど)、軽量で邪魔にならないものを持って行けばいいと思う。

その他

クエストや指示棒は前述しているが、必須なわけではない。実際のIDCやIEでは一切使わないだろうし。そのかわり鉛筆数本と消しゴム、鉛筆削り、ボールペンなどの筆記用具を複数本、ラインマーカーとノートを三冊程度は必要になる。フィリピン・セブではノートのまともなものを手に入れるのは結構大変なので日本から持ち込んだ方がよい(グランドモールのようなでっかいモールに行けばなんとかなる)。筆記具や鉛筆類も同様。スレートを購入すると海の中で使うための鉛筆は付属するが、これだけでは足りないので鉛筆を何本か用意すべきだろう。

日本で開催されるIEなら近くのコンビニで揃うものも、海外だとあらかじめ用意しないと入手に苦労する羽目になる。

その他通常のダイビングでも使うモノで用意しておいた方がいいのは、マスクの曇り止め、以下のようなタオル類。軽くてかさばらない吸水性のいいタオルは必携というほど便利だ。

また、フロートシグナル・水中ライト・ポケットマスク(ゴムバンドつき)・グローブなどはIDCとIEを通して必携として指示されているので持って行くとは思う。プラスして、レスキュー呼吸用のRESACOはEFRIのときに必要になるだろうから、レスキュー講習のときに入手しているものを持って行った方がよいと思う。

他にはスレートを消すためのスポンジ(メラミン製の激落ちくんとか)を持って行くといい。スレートは何度も書き直すので、消しゴムだと大変。

実際にIDCを受講するときやIEを受験するときには先輩やコースディレクターからある程度のアドバイスはもらえるだろうから、それほどは心配しなくてよいだろうが、一応あると便利なものはなんですか?と尋ねるといいと思われる。聞かれないと思い出せないものも多々あるからだ。

海外でIEとIDCを受けるということ

IEについて

なぜかIEを海外で受ける…というと顔をしかめる人もいらっしゃるようで、理由を聞くと日本に比べるとハワイやフィリピンは甘い、ということらしい。本来ならPADI規準は変わらないのでそういうことがあってはならないのだが、問題として過去にはエグザミナーとコースディレクターが仲が良すぎるための癒着や、候補生のコースディレクターが通訳をすることで、候補生の発言にプラスマイナスして、ブリーフィングを通過させた、などの事例もあったらしい。あくまでも伝聞なので、すべてを本当のことだとも思えないが。

だが、こういった噂もあいまって、そういった印象を受ける人が多いのだろうと理解した。

実際に自分で受けてみると、IEに関しては普通にフェアにジャッジされていた。エグザミナーは厳しくジャッジしていたし、お目こぼしや見逃す、なんて行為は一切なかった。4人も落ちたのだ。日本と違うのは会場にCDが入れることはかなり異なる部分だ。なんせオープンウォーターでの会場も一般のホテルだから普通に家族が応援しに会場にいたし。ここは他のカルチャーだと普通なのだから気にしても仕方ない。自分の場合、いくらコースディレクターがいても答えを教えてくれることはなかったし(というか父母参観に来ていたような感覚)、他のチームもそうだったと思う。コーチング的なことはしていたと思うけど。

なのでアジア圏はイージーだ、というのは今では違うと思う。

※日本でIEを受けたことがないので断言はできない。

受けてみて思ったのだが、IEはガイディング知識や技術をテストする場でもないし、あくまでもインストラクションをテストする場なので、これはドコで取ろうと一緒だ、と思った。沖縄で受けようが伊豆で受けようがIEは本来変わらないもの。日本人である自分もよく陥りがちなんだけど、こうあるべき、とかのロジックになっちゃうとここらへんを不必要に難しく考えちゃうのかも。

と新米なオレが言ってもちゃんちゃらおかしいだろうけどw

IDCについて

さて、IDCに関しては確実にこれは日本クオリティだ(笑)。日本人CDと日本人IDCスタッフがやっているわけで場所がフィリピンになっただけ。まだ寒い日もある日本じゃなくて個人的にはこれがありがたかった。最近寒がりになったのだ。

そして潜れないコンディションであることはまずないハウスリーフを使えるのも有利だったし、歩いて30秒でダイビングできる環境はありがたかった。

逆にネガティブな部分としては自宅から遠い場所で行うので忘れ物とかリカバリーが利かないことや(日本でも沖縄でやれば一緒だが)、泊まるところや食べ物が普段とまったく違うことなどがあるかと思う。自分は食べ物などにあまりストレスはないのでおいしく食べられれば幸せなので気にしない。後は、家にいるとついだらけてしまうので、こういった隔世の場所で勉強するほうがはかどる。ということでこのネガティブ要因は個人差がある。

IDCをどこで受けようか考えているときは逗子とかでいいかな、と思っていた。自宅から毎日でも通える。でもそうすると日々の仕事に絡まれるところも出てくるし、無理しがち。なのでどっぷりと浸かれる違う場所を選んだ。

後は…マニュアルすべてをキャリーしてくるのはちょっと大変だった。はかりで計ったら8㎏もあったので、他に器材やら着替えなどを含めるとギリギリだった。せめて国内なら宅配便という手も使えるが、海外だと使えない。ここは日本国内でやる方が有利だ。

費用面

IEとIDCの費用はおそらく日本国内の方が高い。IEはAU$710なので現在のレートだと53,000円におさえられる。IDCもD-DOWNでEFRIと宿泊まで含めたパックで18万弱。その他のeLearningやマニュアルなどのコストは一緒でここに14万円程度か。航空券もフィリピン航空でセブまで往復6万円強。沖縄とそれほど違いもない。伊豆や都内でやれば、この部分はまるっと削れる。

後は海外で受ける場合には通訳が必要になる。数人いれば頭割りできるが、自分は一人で雇ったために、一人で負担。これに36,000円かかった。日本やアメリカで通訳を雇う価格に比べればすばらしく安いのだが、絶対額としてこれだけかかるので正直きつかったw

そんなこんなで海外で受ける方が安い、とはぜーんぜん言えないのでここらへんは自分がどういう環境で臨みたいかで判断すればいいと思う。

日程面

自分はIDCは六日間、予備日が二日あったのとEFRIが二日間。これで十日間になる。さらにIEは二日間、IEが終わった後も一日つけていたし、移動日もまるまる二日かかる。なので全部で十五日間だった。予備日にどれだけ割くか、とEFRIを別で受ける(事前に受けておくとか)ことである程度日程短縮ができるが、予備日がまったくないと進行が遅かった場合には困るので(自分の要因でなく他の参加者によって変わる可能性があるから)、あんまりタイトな日程は無理かなと思う。後ろにIEが控えていればなおさら。

自分はできなかったが(集中したかったので)、週末ごとに受ける、などの日程が一番ラクにやれて、IEも受ける日を特に決めてない、なんてのが日程的には一番調整しやすいだろう。当たり前だけどw

IE Judgement Day-審判の日

三日目。

運命の最終日。この日に行うのはレスキュースキルと、オープンウォータープレゼンテーション。

IE会場はPalm Beach Resort。できたばかりのホテルっぽい。

まずはレスキュースキルだが、台風の余波もあり、かなり風が強い。波高は一メートル程度だろうか。表層の流れもかなりあり、やりづらい。しかし実際の海ではこんな状態でレスキューすることもあるだろうから、文句も言えない。自分はいつものように最後なので最初はアシスタント。このアシスタントをするだけでかなり疲労する。

当初はウエイトを減らしたベルトを装備してからやる…はずだったのだが、結局ウエイトも通常のまま行った。これを二つ抱えると、自分のBCDは浮力があまりないためかなり沈む。レギュレータからエアを吸うと後ほどのプレゼンテーションに影響があるかもしれないので、スノーケルから吸うのだが、スノーケルの上まで波を被り、水を飲む羽目になる。

そんなこんなでなぜか最後ではなく、三番目にデモンストレーションをやることになり、自分は韓国人女性相手のマウスツーマウス呼吸をした。なんとかクリアしたが、彼女のダンナも一緒のチームなので、変な緊張感(笑)。試験なので気にしても仕方ないので堂々とやるw。

次に理由がよくわからなかったのだが、相手の女性が失敗してしまう。自分がレスキューされる側なのだが、おそらく沈めたか何かでメイクアップ(再度トライ)になってしまった。その後のメイクアップでは、ちゃんと合格したのだが、このときは戻ってから彼女はかなりナーバスになっていたようだ。ダンナも励ましていたようだが、もともとそういうパーフェクト主義な性格らしく失敗するとかなり悩むご様子。

レスキュースキルのあと、1時間ほど待たされ、ブルーチームは最終組でオープンウォータープレゼンテーション。すでにブリーフィングは事前に終えていたので、沖合までがんばって水面移動し、そこで行う。やっぱり水の中の方が安定していて楽しい。

ブルーチーム最初のプレゼンテーションはダンナ。これは無難にこなしていた。自分はアシスタント役をやったのだが、特にナニもすることなく、ぼけっとしていただけ。二人目は先ほどの女性。自分は生徒役なのだが、水中で疲労しているダイバーを助け、ロープにつかまらせるスキルなのだが、彼女のブリーフィングはもちろん韓国語でやられていたので、何をすればいいのかちっともわからない。なのでバックアップ空気源出して見たりしてナチュラルトラブル出しまくり…。最もかなり丁寧に直されたので、問題はないかと。最初の生徒を韓国人にやらせればここら辺はオレがマネできて良かったのにな、と今は思う。

三人目は親日家のケフン。沖縄に1カ月滞在したり、博多のmic21にまで器材を買い出しに来るくらい日本大好きなヤツ。かなりフレンドリーなのでおもしろいヤツだなぁと思っていた。彼のひとつ目のスキルは緊急スイミングアセント。一人の生徒ダイバー(ダンナ)のエラーは急浮上。これは、しっかりとBCDをホールドしていて、ちゃんと対処していた。次の生徒ダイバー役は自分。指示されたエラーは息をし続けること。本来は一息でゆっくり細く声を出しながら浮上するわけだが、そこを普通に呼吸するエラーを起こせという指示をエグザミナーからもらった。気づかれないと困るし、チームメイトなので、かなり協力的に激しく呼吸をしたのだが気づいてくれない。途中で止まりつつ呼吸する。泡も出まくるし、止まるし明らかに激しい呼吸をしている。あー気づいてくれよ、頼むよ、と思いつつそのまま結局浮上してしまった。

教えるわけにいかない。彼がそのままOKを自分に出し、再度潜る。なんかオレが落ち込みそうだ。凹むなあ。

さて、最終組のファイナリストは自分。マスクの脱着と、ロープの結び方のひとつであるシートベンド。最初のスキルのマスク脱着は、エラーとしてマスクを逆さま。次はマスクをフードの上に乗せる。これは簡単だった。

次はシートベンド。最初のエラーはしっかりと締め付けないこと。次は、結び方を忘れること。それぞれ、訂正を出し、二人目は再度やり直しさせ、無事エラーを見つけられずに終わるということはなかった。

ディブリーフィングを全員終え、後はファイナルのジャッジを待つだけ。

なお、最初の筆記試験の一般規準と、このオープンウォータープレゼンテーションはやり直しができない一発勝負。これらを落とすと、IEを受け直すことになり時間もコストもかなりかかることになる。しかも五日後以降に受験しなければならないので、面倒だ。

さて、エグザミナーからの講評とジャッジ。最初の候補生は日本人の女の子であるハルナちゃん。短い講評の後、握手する姿が見える。破顔一笑とはこのことか。満面の笑みを浮かべて戻ってくる。そして嬉し涙。

彼女を担当したコースディレクターは、さきほどレスキュースキル評価をしていたリー。今年のCDTC(コースディレクター開発コース)でコースディレクターになったばかり。彼の最初の生徒で、部下でもある彼女が受かって、かなりホッとしている様子。こちらも小さく拍手して彼女の合格を喜ぶ。彼女は通訳抜きで英語でプレゼンテーションする難しい道を選び、見事通過した。ホントにスゴイと思う。

そして、次に呼ばれたのはなぜか自分。日本人つながり?

そして、エグザミナーが持つ評価シートを見せられ、愕然とした。やばい、落ちた?

オープンウォータープレゼンテーションの、最初のマスク脱着は4.6。これは余裕で合格。次のシートベンドは、2.0。ひどい点数だ。エグザミナーは、平均で3.4だからパスしてると説明してくれる。ただ、シートベンドでロープを一本しか用意していないのと、ディブリーフィングで肯定的補強をしていなかったのが、この2.0の原因だ、と言われる。

これがシートベンド

シートベンドは異なる太さのロープを繋げたり、一本のロープの端を繋いで輪にしたりする。そういった価値をブリーフィングで説明しているのに、なぜ一本しか用意しなかったのか?と突っ込まれた。これにより、教えられてはいるが十分ではないということでこの項目が2.0になる。最悪の1点(一発不合格)ではなかったので、助かった。

その後ディブリーフィングで肯定的補強をちゃんとしていなかったので、その項目も2.0。肯定的補強とは「よくできた部分を取り上げて、具体的に褒めること」だ。他の結び方をしたり戸惑わず、しっかりとシートベンドを完成させられていましたね、と褒める。自分は「集中してできていましたね」とやや具体性に欠く補強をしていたため点数を取れなかった。

しかも、これらの項目が2.0を二つ取ってしまうと、その他の項目がかなりよく平均としてそれ以上でも2.0になる項目というのがさらに悪い結果になった。

このときは本当に顔から血の気がひいた。

実は事前に別のコースディレクターが二本必要だよ、と、同じブルーチームの韓国人経由で教えてくれたのだが、あまり気にせずコースディレクターと相談して大丈夫だろう、と判断した。

最終判断はインストラクターである自分の責任で行う、ということで実際の講習となんら変わりないから、誰の責任でもなく自分の責任。もしエグザミナーに「ロープの本数は指示されていない」と抗議をしても講習生のためベストを尽くしたか?と聞かれたら、確かに講習教材が足りないと自分でも思う。自分でも思うだけに、油断していた自分の判断の甘さに、情けなくなり憤る。もし自分の部下だったりしたら、同じように判断するだろうし。いや、オマエの判断ミスだろ、と。

かろうじて平均で3.4を取り合格はしたが、納得感はない。

そして、同じブルーチームの夫婦は合格し、ケフンはやはり不合格。彼の顔は憮然としているが、やはりエラーを見つけ損ねたため、スキルを達成させていない、ということで多分1.0点だったのだろう。

彼を担当したコースディレクターは、若いんだからまだまだこれからだ、と話していて彼を諭すように慰めていた。エグザミナーもすべて終了したあとに彼に再度説明して、気を使っていたようだった。

全員の評価を終え、全体のディブリーフィングをエグザミナーから受ける。そして、合格証書を合格者に。不合格者には参加証書(落とした項目の解説が書いてある)を手渡した。今回受けた12人のうち、合格者は8人。かなり厳しい結果になった。

自分としてはギリギリで受かろうが、満点で受かろうが、基準を満たしたのには代わりなく合格は合格だと、この頃には気を取り直し、素直に合格を喜べた。

最後にコースディレクターや通訳と写真を撮り、そしてエグザミナーとも記念撮影。普段、日本だと少し気恥ずかしいが、今回は晴れがましい気分で、堂々と写る。なんせ仕事以外でこういったことをして合格するなんてほぼ何十年ぶりかの経験だし、長かった道のりを考えると胸を張るべきだ。

左からエグザミナーのジョージ、CDの渡部さん、そしてオレ、通訳のアレックス。受かったのは素直に嬉しい。例え50近いオッサンでもだw

不合格者にとっては結果は厳しいものだったが、その後の人生にマイナスになることはなくプラスになるだろう。合格した自分でさえ、点数の悪かった部分をダイビングにおいても実生活においても直さなきゃ、注意しなきゃ、と思うのだから。落ちた人に対してかける言葉を持ち合わせてないが、今度は合格してな、と心の中でエールを送る。

タンクや器材を持ち、D-DOWNへ戻る。そしてD-DOWNのスタッフたちに合格の報告とお礼を述べた。その後部屋に帰り自分のレスキューコース担当をしてくれたインストラクター、ダイブマスターを担当してくれたインストラクターにメールで報告して感謝を述べる。

振り返ってみると、レスキューコースで色々な刺激を受けたからこそダイブマスターになったし、ダイブマスターコースでこれからどうするのか聞かれて、そして考えたからこそIDCを受けてインストラクターになった。オープンウォーターコースから始まって、すべてのコースを担当してくれた人たち、コースを受け付けてくれたショップの店員さん、励ましてくれた近所の器材ショップの人たちすべての影響を受けて今ここにいる。

仕事は日常の延長であまり新しい気づきのようなものはない気がするが、仕事から離れて非日常に身を置き、新しい経験をすると自分の小ささや無力さを知り、そしてだからこそ周りのサポートに気づけるようになるのだと思う。

こうしてインストラクターになったからといって明日からダイブショップで働くわけでもなく、インストラクターでございと偉ぶれるわけでもない。だから、また日常に戻っていくけれど、ダイビングというものに対して興味を持った人にはフォローしていくだけの活動をしようと思う。そんなに広くもなく、色々な問題を抱えてもいる業界ではあるけれど、少しでもプラスになるような活動をして行こうと今は考えている。

IE 二日目

二日目。本来ならば一日目だ。

自分の課題となった限定水域プレゼンテーションは、

水面で反応のないダイバーにポケットマスクを使ったレスキュー呼吸をする

というものだった。課題を出した側として、本当は反応のないダイバーを単にレスキュー呼吸することだけだったのだが、受けた側の自分は最初の手順(反応の確認、仰向けにする…など)から作っており、それをブリーフィングしたところ、エグザミナーから「もう水面で仰向けになっているところからでいいよ。」と途中訂正が入る。

やることは少なくなったのでいいのだが、組立をその場で変えなければならなくなりこれで頭がすっ飛び、へ?んじゃどうしようかな、と思うが、なぜか一緒のチームの韓国人がエラく協力的で、あーじゃない?こーじゃない?とワイワイ始まり、なぜか普通にクリア。エグザミナーがエラーを出す指示も一人にはエラーなし、一人にはポケットマスクを上下逆さまにするという指示だったようだが、エラーなしの方を、事故者を沈めたと判断し訂正した。これは別段問題ないので、取り敢えず双方のエラーを見つけられた、ということになる。

終わったあと、エグザミナーから訂正されたのは、ポケットマスクを使っている相手でも、相手の頭上に回らなくて横からでもいいこと、上に伸び上がると大変なので、頭上からやる場合でも相手の首をグイッと反らせてやればよい、とアドバイスを受けた。

前述したことだが、これもPADIらしいところで、その目的が達成されれば、方法には色々なアプローチがあってよいというやり方でも許される。どうしても日本人は硬直的に考えてしまうので、型に嵌めてしまうところが多いらしい。

なお、チームメイトがプレゼンテーションした限定水域でのプレゼンテーションデモは素晴らしいクオリティだった。動きがビシビシと気持ち良い。ただしお国柄なのか軍隊的というか、動きが固い(笑)。話し方も韓国語であるため固い感じなので、練習ではなく訓練している感じとも言えるかな。さすが兵役のある国…なんて思った。自分を最後に我々ブルーチームは全員限定水域スキルは無事終了した。自分の得点は4.6だった。

後は五つのスキルデモンストレーションを行う。20スキルから5つピックアップして指示が出る。出された課題は、レギュレータリカバリー(アームスイープまたはリーチ)、フリーフローレギュレータからの呼吸、フィンピボットにおける中性浮力、バックアップ空気源からの呼吸、緊急スイミングアセント(水平)だった。自分はトイレがガマンできず行っている間に、みな最初の三つは終わっていた。そのためバックアップ空気源から参加。そして、そのまま待たせて、自分だけ最初の三つを行い、緊急スイミングアセントを二人ずつ行う。

スキルデモンストレーションは自分は22点なので平均4.4で無事クリア。これも全員一発で合格だった。なんだかんだ我々ブルーチームは優秀じゃないか(笑)。

午前中はこれで終了。午後は知識開発プレゼンテーションだ。通訳のアレックスとコースディレクターの渡部さんとごはんを食べてからホテルに戻る。かなり時間が空くのでだんだん緊張感がなくなりリラックスモード。眠い。

お昼のドリンクはマウンテンデュー。ひさびさ。

午後からの知識開発プレゼンテーション課題は、自分は

ダイブマスターがDSDインターンシップを終了して、DSDリーダーになったのち、体験ダイビングをするとき、オープンウォーターの一度目のダイブを担当できるか?

というものだった。自分のプレゼンの順番はブルーチームの最後。生徒ダイバー役のチームメイトは全員自分たちのプレゼンテーションが終了しているので、それなりにリラックスしている。

彼らには自分の言葉を理解はしてもらえないが、うまくプレゼンテーションできたと思う。体験ダイビングのときに、クエストや指示棒を使うといいよ、と紹介したのだが、クエストにはかわいい女の子の絵をあらかじめ書いて置いたのだが、それを見たみんなが素の反応で感嘆してくれた。また、自分の指示棒はチタン製で錆びないし軽いよ、と持たせると、またもや良い反応。ついでにエグザミナーにまで持たせる(笑)。

コールアンドレスポンスというか、チームメイトのノリノリの反応のおかげで、知識開発プレゼンテーションはまさかの満点である5点をもらえた。エグザミナーから、何か教える仕事をしてるのか?と尋ねられたほどだった。チームメイトが雇っていた韓国語英語の通訳には、言葉はわからないけど、なんでか理解はできた気がすると褒められ、スゴくありがたい評価を各人からもらったと思う。

こうして余裕をぶっこきながら二日目を無事クリアした。ここらへんから、自分にも、チームメイトにも慣れと油断が生じて来たのだと思う。

ちなみに自分のプレゼンに使った器材は以下の通り。

mic21オリジナル チタン指示棒【yo-ko0604】

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価格:2,940円(税込、送料別)

IE 参加前日

※このIEに関する一連の投稿はあくまでも自分が体験し感じたことであり、もちろんPADIの意見ではありませんし、他者から見た場合には違う意見もあると思います。あらかじめご了承ください。

本来なら6月2日からだったIE。それが参加人数が増えた、ということらしくいきなり一日前倒しになり、夕方からの開催になった。フィリピンに来る前の情報だと、参加人数が足りなくて開催されないかも…ということだったのに、三日前くらいに駆け込む人が多いらしい。日本では2週間前に締め切りなのに、PADI ASIA PACIFICでは、こういったことはよくあることなのだそうな。所変われば品変わる、というか品質が変わってもらっては困るが、多少のカルチャーの違いは気にしても仕方ない。

前日に前倒しになったので通訳にも一日増やしてもらわなければならないが、その調整はコースディレクターにお願いした。通訳料が上がってしまうが、ここでけちって落ちても困るしね。用意できるものは用意することにした。

とりあえず会場であるベラビスタホテル(マクタン島にある)に遅れずに入る。フィリピンとは思えないくらい内装はきちんとした普通のホテル(偏見だな、これ)。冷房も効いていてロビーのソファも快適。遅刻しないように30分前に入ったのはうちら日本人くらいだ。みんなギリギリ、もしくは若干遅れて到着していた。

会場に入って辺りを見回すと、他にIEを受験するのは韓国人が八名、フィリピン人が二名。そして、日本人が自分を入れて二名の合計12名となる。自分はブルーチームとなり、韓国人三名と同じチーム編成。レッドチームは八名というかなりアンバランスな編成だが、本来ならブルーチームはもう二名か三名いたらしい。日本と違って試験料の支払いが後払いなので、ドタキャンしたらしい。日本のIEではまずないことらしいが、海外ではよくあることなのだそうな。いきなり増えたり減ったりPADIも大変だな。さすが東南アジア。

最初のオリエンテーションは試験の内容説明と、課題が与えられる。自分のチームもここでわかる。オリエンテーションを終えるとさっそく学科試験。一般規準と、ダイビング理論の物理・生理・RDP・スキルと環境・器材の五科目テスト。各自にまず一般規準または、五科目テストが与えられ、それを一時間半で解く。もちろん時間を短縮して提出すれば、もうひとつの問題を渡され、それを解く。

自分は五科目が先になり、後半は一般規準だった。それぞれ一時間程度で解き、無事クリア。少し一般規準で間違いが多く88点だった…。ちょっと見直しもせずあっさりやり過ぎたかな。五科目はほぼパーフェクト。生理と物理で2問ずつ間違えた程度だった。電卓を忘れたので、浮力や圧力計算は手計算で行ったが、計算式が多いわけでもないので、問題なくできた。電卓がないと2,3分は損しているけれど。

なお、このオリエンテーションのときに限定水域とオープンウォーターで行うそれぞれのスキルプレゼンテーション、知識開発プレゼンテーション、レスキュースキルでの内容などが決められている。本来なら、初日に渡されるので、そのままその日に限定水域と学科プレゼンテーションは制作しないといけないのだが、今回は一晩(オープンウォーターは二晩)じっくり作れるわけだ。

最も、すでにIDCでここの部分はかなりトレーニングするし、IEの最中も空き時間、待ち時間はかなりあるので、IE中に作るのでもそれほどは困らない。

初日はこんな感じであっさりと終了。帰りにマリーナモール近くの「のんき」で食事して帰る。